あごの骨が少ない状態でも、骨造成で人工歯根が可能になる条件と期間|大治町・あま市の歯医者|大治西條ファミリー歯科

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あごの骨が少ない状態でも、骨造成で人工歯根が可能になる条件と期間

あごの骨が少ない状態でも、骨造成で人工歯根が可能になる条件と期間

骨が少ない状態から人工歯根を検討するときの判断の順番


あごの骨が少ないときでも、骨を補う処置(骨造成)を組み合わせれば、人工歯根(インプラント)を考えられる場合があります。ただし、骨の足りない量だけで治療の進め方が決まるわけではありません。この記事では、歯科用CTで見る骨や上あごの空洞の場所、歯周病や糖尿病など体のようす、治療にかかる期間、入れ歯もふくめた選び方をまとめます。


この記事の要点まとめ


  • 骨の量だけでなく、歯科用CTで見た骨や上あごの空洞の場所、歯周病や体のようすもふまえて、治療の進め方を考えます。
  • 骨造成は、人工歯根を埋めるときに同時に行う場合と、日を分けて行う場合があり、方法や骨の状態によって治療にかかる期間が変わります。
  • 骨造成を行わないときは、部分入れ歯やブリッジも選べます。通う回数や費用、くらしへの影響を前もって確かめます。

あごの骨が少ないときのインプラント治療で、骨造成ができるか判断する前に確認すること

あごの骨が少ないときのインプラント治療で、骨造成ができるか判断する前に確認すること

骨が少ないと言われた場合でも、すぐに骨造成の可否だけで結論を出すのではなく、お口全体や全身の健康状態を順番に確かめることが出発点になります。


骨が少ないときは、骨量だけでなく噛み合わせと全身状態も確認する


当院では、インプラントを単に失った歯を補うだけの処置とは捉えず、噛み合わせやあごの骨、全身の健康、そして将来まで含めて診断する位置づけとしています。


上の奥歯などを抜いたあとは、噛む刺激がなくなることであごの骨が溶けてやせ、形が大きく変わる(骨吸収)ことがあります。こうした変化は、その後のインプラントや入れ歯の治療を難しくする場合があります。これまでの経過に不安を感じるかたもいらっしゃいますが、まずは現在の骨とお口全体の状態を確かめることから始めます。


レントゲンと歯科用CTで確認する骨と周囲の組織


当院では、手術の前にレントゲンと歯科用CTを使い、あごの骨の量や質、神経や血管の位置をくわしく確かめております。平らなレントゲンだけではわかりにくい骨の高さや幅、上の奥歯の上にある空洞(上顎洞:サイナス)までの距離も、立体的な画像で調べて、骨造成がいるかどうかや方法を考えます。なお、骨の高さが足りないところに縦の方向へ骨を増やす処置は、やり方や条件によって増える骨の量に幅があることが報告されています。くわしい数値の目安はお一人おひとり異なるため、検査の結果をもとに歯科医師へおたずねください。


骨造成や埋入の前に、歯周病治療などが必要になる場合


当院では、お口や骨の状態によっては、インプラント治療に先立って歯周病治療などを行っております。歯周病の治療をしないままインプラントを入れると、歯周病菌がかかわってインプラントのまわりに炎症(インプラント周囲炎)が起こりやすくなるためです1。また、残っている歯の状態や噛み合わせを整えることは、治療後の長期的な安定にも関わります。こうした前処置の期間が治療全体の日程に加わるため、骨造成の治癒期間だけでスケジュールを考えないよう注意が必要です。


糖尿病や常用薬がある場合は、全身管理と連携も含めて検討する


当院では、大学病院の口腔外科・インプラント科と連携し、生活習慣病や常用薬の影響で手術が難しい患者さまについても、全身管理を伴う治療を検討しております。持病があるからといって一律に見送られるわけではありませんが、すべてのかたが治療可能と断定できるものでもありません。血糖が高い状態が続くと、手術後の傷の治りや感染のしやすさに関わるため、管理状況によっては治療の時期を見直す場合があります。受診の際は、内科での検査結果やお薬手帳をご持参のうえご相談ください。


ポイント

骨の足りない量だけでなく、歯科用CTで立体的に見た骨のようす、歯周病があるか、持病やお薬の管理のようすを合わせて治療の進め方を考えます。


骨造成の要否で変わる期間と選択肢、通院を続けながら考えるポイント


検査でお口と体の状態がわかったあとは、手術による体への負担や治療にかかる期間、お仕事やご家族の送り迎えなど、ふだんのくらしへの影響を照らし合わせて治療の方法を選びます。


骨造成を前提にせず、必要な処置と長期的な安定を検討する


当院では、十分な検査と診断を行ったうえで、できる限り外科的介入を抑え、長期的な安定につながる治療を目指しております。骨造成はあくまで不足した骨を補う手段の一つであり、処置の必要性と身体への負担を天秤にかけて検討します。


あごの骨の高さが限られる場合には、長さ6mm以下の短いインプラント(ショートインプラント)が選択肢の一つになります。短いインプラントに早めに仮歯をつけたときの残り具合や、まわりの骨の減り方も調べられています2。実際に使えるかは、骨の質や噛み合わせの検査で決まります。


GBRとサイナスリフトは、埋入と同時か期間を空けるかで日程が変わる


代表的な骨造成には、骨の幅や高さを補うGBR法(骨誘導再生法)や、上の奥歯の空洞の底を押し上げて骨を補う上顎洞底挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)があります。人工歯根の埋入と同時にGBR法を行う場合、用いる骨補填材や膜(メンブレン)の種類によって術後の骨の安定性が検討されており3、骨の不足量に応じて同時埋入か段階を分けるかが判断されます。


進め方の違い検討される骨の状態期間の考え方
埋入と同時に行う骨の不足が比較的小さく、埋め込んだ直後に人工歯根がしっかり固定できる場合手術が1回にまとまり、別々に待つ期間を抑えやすい
期間を空けて行う骨の不足が大きく、先に土台を作る必要がある場合骨造成後の治癒を待ってから埋入するため期間が延びる

期間を空ける場合は、骨造成のあと骨が落ち着くまで数か月ほど待ってから人工歯根を埋めるのが一般的で、骨の足りない量や方法によって期間には個人差があります。手術で縫った傷は、一般に1〜2週間ほどで糸を抜きます(もっと早く抜くこともあります)。


痛みや腫れは手術のあと数日のあいだに出やすいため、その間は立ち仕事や車の運転を控える予定を立てておくと進めやすくなります。処置の範囲が広いほど控える日数は長くなりやすいため、具体的な日数は担当医と相談して決めます。


骨造成を見送るときに検討する部分入れ歯の調整とブリッジ


全身状態や骨の条件、外科処置へのご負担から骨造成を見送る場合は、部分入れ歯の調整・作り直しやブリッジが選択肢になります。ブリッジは手術が不要で固定式ですが、両隣の歯を削って支えにするため残る歯に負担がかかります。なお、ブリッジに公的医療保険が使えるかは、部位や残っている歯の条件によって決まります。


一方、部分入れ歯は隣の歯を削る量を抑えられますが、金具による違和感やずれが生じることがあります。食事中の噛みにくさやずれは、入れ歯の調整や設計の見直しで変わる場合もあります。


治療を決める前に、期間・費用・生活への影響を質問する


当院では、治療前にカウンセリングを行い、お口の状態を確認したうえで、治療内容、流れ、メリット・デメリットをご説明しております。疑問やご要望に対応し、ご納得を得てから治療を進めますので、お仕事を続けながら通院するかたも、決める前に次の点をお尋ねください。


  • 骨造成が必要かどうかと、人工歯根を埋めるときに同時に行うか、日を分けるか
  • 通う回数とそれぞれの期間、手術のあとに仕事や送迎を控える日数
  • 治療中に仮歯や入れ歯を使えるかと、食事で気をつけること
  • 費用の内わけと、追加の費用や処置のやり直しが必要になったときの扱い

インプラントと骨造成は、原則として自由診療です。保険が使えるのは、腫瘍やけがなどであごの骨を広く失った場合や、生まれつきの病気であごの骨が足りない場合など、ごく限られたときだけです。インプラントは手術をともなうため、術後の痛みや腫れ、感染、神経の損傷などのリスクがあり、費用は医療機関ごとに異なります4。骨造成では、出血や、補った骨が十分に定着しないといったリスクもあります。


骨造成の費用は、処置の範囲や方法によって大きく変わります。当院の費用は診察のうえでご案内いたします。気になる点はどうぞお気軽にご相談ください。


ポイント

外科の負担を抑える方法や入れ歯・ブリッジも並べて検討し、休む日の目安や費用の内わけをカウンセリングで確かめてから方針を決めます。


よくある質問


Q. 骨が少ない場合、インプラントはできますか?


A. あごの骨が少ない状態でも、骨を補う処置(骨造成)を併用したり、残っている骨の状態に合わせた設計を検討したりすることで、インプラント治療が可能になる場合があります。ただし、骨の不足量や上顎洞・神経との位置関係、歯周病や全身の健康状態によって適否が異なるため、歯科用CTを用いた検査が必要です。


Q. 奥歯に骨がない場合、どうすればいいですか?


A. 上の奥歯であれば上顎洞底挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)、下の奥歯や骨の幅が薄い部位であればGBR法などで骨を補う方法があります。外科処置の負担を抑えたい場合や全身状態から手術を見送る場合は、現在の部分入れ歯の調整・作り直しやブリッジも選択肢となります。


Q. 歯の骨を増やす方法はありますか?


A. ご自身の骨(自家骨)や人工の骨補填材を用い、不足している部分に補って骨の再生を促す「骨造成」という外科処置があります。人工歯根の埋入と同時に行う場合と、先に骨を増やして治癒を待ってから埋入する場合があり、処置の範囲によって治療期間や通院回数が変わります35。


Q. 歯茎に人工骨を入れることはできますか?


A. 歯ぐきそのものではなく、歯ぐきを開いてその下にあるあごの骨の不足部分に人工の骨の材料を詰め、専用の膜(メンブレン)で覆って骨が再生する空間を保つ処置(GBR法など)が行われます。術後は腫れや痛み、感染、骨が十分に定着しないといったリスクがあるため、事前の検査と説明を受けたうえで検討します。


参考文献


1. インプラント – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020. https://www.jda.or.jp/park/lose/index19.html

2. Kulkarni V, Uttamani JR, Asar NV et al. Evidence-Based Clinical Outcomes of Immediate and Early Loading of Short Endosseous Dental Implants: A Meta-analysis. The International journal of oral & maxillofacial implants (2021). PMID: 33600524 / DOI: 10.11607/jomi.8541

3. Calciolari E, Corbella S, Gkranias N et al. Efficacy of biomaterials for lateral bone augmentation performed with guided bone regeneration. A network meta-analysis. Periodontology 2000 (2023). PMID: 37752820 / DOI: 10.1111/prd.12531

4. お口のなんでも相談「インプラント」|日本歯科医師会. https://www.jda.or.jp/consultation/vol-34.html

5. Urban IA, Montero E, Monje A et al. Effectiveness of vertical ridge augmentation interventions: A systematic review and meta-analysis. Journal of clinical periodontology (2019). PMID: 30667522 / DOI: 10.1111/jcpe.13061

6. うみねこ通信 平成16年4月 -青森労災病院- https://www.aomorih.johas.go.jp/guide/umineko/2004/4.php


伊東 雅哲

歯科医師


大治西條ファミリー歯科

院長

伊東 雅哲

▶ 監修者プロフィール

資格・所属学会
歯学博士
日本口腔外科学会認定 口腔外科認定医
愛知学院大学歯学部附属病院 口腔外科
口唇口蓋裂特殊外来 非常勤講師
日本口腔ケア学会評議員
国際口腔インプラント学会認定医
日本再生医療学会認定 再生医療認定医