うまく噛めないのは噛み合わせのサイン、矯正相談か歯科受診かの判断軸|大治町・あま市の歯医者|大治西條ファミリー歯科

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うまく噛めないのは噛み合わせのサイン、矯正相談か歯科受診かの判断軸

うまく噛めないのは噛み合わせのサイン、矯正相談か歯科受診かの判断軸

食べ物をうまく噛み砕けない違和感、原因の見極め方


うまく噛めない・片側だけで噛むといった変化は、歯並びだけでなく、被せ物の高さやむし歯、あごの関節の不調でも起こります。まずは一般歯科で原因を確かめ、歯並びやあごの位置が関わる場合に矯正相談へ進むのが判断の目安です。この記事では、症状から考えられる4つの原因と受診先の選び方、診察時に伝えるポイントを整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 噛みにくさには、歯並びだけでなく、詰めものやむし歯、歯ぐきの病気(歯周病)、抜けたままの歯、あごの関節なども、かかわることがあります。
  • まずは一般歯科で歯や被せもの、あごのようすをみてもらい、歯並びやあごの位置がかかわるときは矯正の相談も考えます。
  • 受診のときは、症状が出た時期やきっかけ、噛みにくい食べものなどを伝え、診察の結果に合わせた検査や治療の進め方の説明を受けましょう。

うまく噛めない・片側だけで噛むのは、どんな原因のサイン?

うまく噛めない・片側だけで噛むのは、どんな原因のサイン?

噛みにくさの原因は、①被せ物・詰め物、②むし歯・歯周病・抜けたままの歯、③歯並び・あごの位置、④あごの関節の4つに分けて考えます。気になる歯1本だけでなく、お口全体の噛み合わせやあごの動きまで見て、原因をさがすことが大切です。


被せ物や詰め物を入れた後から歯の当たり方が変わった


歯の治療を受けて数日〜数週間たってから「特定の歯だけ先に当たる」「反対側ばかりで噛んでいる」と感じるときは、被せ物や詰め物の高さ・形がまわりの歯と合っていない可能性があります。この場合は歯並びの矯正とは別の問題で、多くは噛み合わせの高さを少し整える処置で対応を考えます。


むし歯・歯周病・抜けたままの歯で力をかけにくい


噛んだときにしみる、歯が浮いたように響く、歯茎が腫れてぐらつくといった症状があると、無意識に痛みを避けて片側だけで噛むようになります。また、抜けたままの歯がある場所では食べ物をすり潰しにくくなります。まずは痛みや炎症、歯の欠損といった基礎的な疾患がないかを確かめます。


前歯で噛み切れないなど、歯並びやあごの位置そのものが原因


奥歯を閉じても前歯に隙間ができる開咬(オープンバイト)や、噛み合わせが深い過蓋咬合、受け口などの不正咬合では、麺類や葉物野菜を前歯で噛み切りにくくなります。過蓋咬合は子どもと大人で治療の考え方が変わることがあり、大人では前歯を沈める方向に動かすことを考える場合もあります。また、飲み込むときに舌で歯を押す癖が不正咬合と関わっているケースも報告されています1。


口を開けると音が鳴る・あごが疲れるときに考えたいこと


口の開け閉めで「カクッ」と音が鳴る、食事の後半であごがだるくなる、口が大きく開かないといった症状は、あごの関節や筋肉の不調が噛む働きに関わっているサインである可能性があります。歯並びだけでなく、あごの関節への負担や食いしばりの癖も含めて状態を確認する必要があります。


ポイント

噛みにくさは歯並びだけでなく、治療した被せ物の高さやむし歯、あごの関節の不調でも生じます。いつから、どの歯で、どんな食べ物が噛みにくいかを整理することが原因特定の第一歩です。


一般歯科の受診と矯正相談、どちらを先にすればよい?


多くの場合は、まず一般歯科で被せ物やむし歯・歯周病、あごの状態を見てもらい、それでも説明がつかない歯並びの問題が残るときに矯正相談へ進みます。症状が始まった時期や痛みがあるかどうかで、先に行きたい相談先が変わります。


症状の特徴・きっかけ優先したい相談先受診の目安
強い痛み・歯茎や頬の腫れ・外傷後一般歯科・歯科口腔外科様子を見ず早めに受診
被せ物を入れた後から当たり方が変わった一般歯科数日〜1週間以内に相談
あごの痛み・口が開けにくい・音が鳴る一般歯科・歯科口腔外科矯正の前にあごの状態を確認
以前から前歯で噛み切れない・歯並びのずれ一般歯科または矯正相談落ち着いた時期に予約して相談

最近の治療をきっかけに変化したなら、まず一般歯科で確認


数週間前に奥歯の被せ物を入れてから噛みにくくなったなど、時期がはっきりしている変化は、まず治した歯の高さや合い具合をみてもらいましょう。治療を受けた歯医者さんへ違和感を伝えにくいときは、セカンドオピニオンとして別の歯科医院で今の噛み合わせを診てもらう方法もあります。


以前から前歯で噛み切れないなら、矯正相談も視野に入れる


子どもの頃から前歯で噛み切りにくい、歯並びのでこぼこや見た目の悩みも伴うといった場合は、一般歯科での検診とあわせて矯正相談を検討します。なお、透明で取り外しができるマウスピース矯正(インビザラインなど)は、軽いでこぼこやすき間、矯正後の軽い後戻りなど、歯を動かす量が少ない歯並びが主な対象です。すべての症例に使えるわけではありません2。


あごの音や痛みがある場合、歯並びの治療より先に確かめること


「あごの不調と歯列矯正はどちらが先か」と迷われる方は少なくありません。あごの痛みや口の開けにくさがある時期は、歯を動かす前にあごの関節や筋肉の状態をみてもらいます。痛みが落ち着き、口の開け閉めや噛む動きが安定してから、歯の治療や矯正治療を考えることが多いです。痛みはなく「カクッ」という音だけの場合も、事前に伝えておくと検査計画が立てやすくなります。


急な痛み・腫れ・ぶつけた後は、様子を見ずに早めの受診を


急に強い痛みが出た、歯茎や頬が腫れている、転倒して口元をぶつけた後に噛み合わせが変わった、急に口が開かなくなったという場合は、矯正相談ではなく早めの歯科受診が必要です。感染や歯の破折、関節のトラブルが隠れていることがあるため、我慢せずにご連絡ください。


受診のとき、何を伝えてどんな検査を受けるの?


受診のときは「症状が始まった時期・きっかけ・これまでの治療」を伝え、お口全体の診察と、必要に応じて画像の検査をして原因をしぼり込みます。うまく言葉にできなくても、「本当に治療が必要なのか知りたい」という段階から相談して構いません。


症状の経過と治療歴は、受診前に短くメモしておく


診察室で慌てないよう、スマートフォンのメモなどに以下の項目を書き留めておくと伝達しやすくなります。


  • いつから・きっかけ:例「3週間前に右下の被せ物を入れてから」
  • 困っている場面:例「夕食の肉や生野菜を左側だけで噛んでいる」
  • 伴う症状:あごが鳴る、頬の内側や舌をよく噛む、特定の歯がしみるなど
  • ご希望:「まずは原因を知りたい」「大がかりな治療になるか不安」など

噛み合わせ・歯と歯茎・あごの関節を順に診る診察


一般的には、色がつく薄い紙(咬合紙)をカチカチと噛んで、どの歯が強く当たっているかを見ます。続いてむし歯や歯茎の炎症、被せ物の段差を調べ、口の開け閉めであごの関節がなめらかに動くか、音が出ないかを確かめることが多いです。あわせて、飲み込むときの舌の位置や頬を噛む癖なども見ることがあります。


レントゲン・歯科用CT・口腔内スキャナーはそれぞれ何を調べる?


目で見るだけでは分からないところは、一般的には機器を使って調べます。デジタルレントゲンでは被せものの内側のむし歯や、歯を支える骨のようすをみて、歯科用CTではあごの骨の厚みや関節の形、神経の位置を立体的にとらえます。また、口腔内スキャナーを使うと、今の歯並びや噛み合わせの当たり方を3Dデータとして画面で見て確かめられます。一般的には、すべての検査をいつも行うのではなく、診察の結果から必要なものを選びます。


ポイント

受診前に「いつから・どの歯で・何が噛みにくいか」をメモしておくとスムーズです。検査はお口の状態に合わせて必要なものだけを選び、原因を確かめます。


矯正が必要と言われるのはどんなとき?納得して決めるには?


噛みにくさがあっても直ちに矯正が必要になるわけではなく、検査の結果、歯並びやあごの位置が主な原因と判断された場合に初めて検討されます。まずは原因に応じた複数の選択肢と、それぞれの負担を知ることが大切です。


「噛めない=矯正」とは限らないという誤解


「歯科医院へ行くと、すぐに高額な矯正を勧められるのではないか」と身構える必要はありません。被せ物の高さ調整ややり直し、むし歯・歯周病の治療、抜けた歯を補う処置など、矯正以外の方法で対応するケースも多くあります。お口全体と将来を見据え、できる限り治療の負担を抑えて有益な結果につながる方法を順番に検討します。


矯正や外科的な治療が検討されるのはどんなケース?


前歯が噛み合わない開咬や深い噛み合わせなど、歯を動かすことで噛む働きをよくしたいときに、矯正治療が選ぶ候補に入ります。また、歯並びだけでなくあごの骨のずれが大きいときは、矯正とあごの骨を動かす手術を組み合わせる方法(外科的矯正治療)を考えることもあります3。手術をともなうときは、手術のあとに起こりうることや治療の流れについても説明をよく聞き、矯正の担当医と口腔外科医がどう連携しているかを確かめて決めることが大切です。


海部郡で相談する前に確認したい費用の内訳と通院の見通し


歯列矯正は、ふつうは健康保険が使えない自由診療(自費診療)になります(あごの骨のずれが大きい顎変形症など、一部の外科的な矯正はのぞきます)。一般的な費用の目安は、部分矯正で20万〜50万円ほど、歯並び全体の矯正(ワイヤー矯正・マウスピース矯正)で60万〜110万円ほどとされています。これらは一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関ごとにちがい、診察のうえでご案内します。


契約前には、相談料・検査診断料・装置料・調整料・保定装置料が総額に含まれているかを確かめておきましょう。また、矯正治療では歯が動くときに痛みや違和感が出ることがあります。保定装置をふくめ自分で取り外す装置は、歯科医師の指示どおりに使わないと仕上がりが思うようにならなかったり治療が長引いたりすることがあり、治療が終わったあとに歯並びが戻ってしまうこともあります4。


ワイヤー矯正は月1回程度、マウスピース矯正は2ヶ月に1回程度の通院が目安となるため、海部郡の生活圏でお仕事帰りやお子様の送迎の合間に無理なく通えるかも確認しておきたい点です。


ほかの医院の意見も聞きながら、治療方針を選ぶ


1つ目の医療機関で受けた診断結果だけが唯一の正解とは限りません。複数の歯科医院で意見を聞き、ご自身の生活スタイルや家計に合った方法を見比べて選ぶ(セカンドオピニオン)ことも推奨されます。気になる噛みにくさがあれば、まずは「原因を調べて話を聞く」という一歩から相談を始めてみてください。


よくある質問


Q. 噛み合わせが合わない場合、どんな症状が現れますか?


A. 特定の歯だけが強く当たる感覚や、肉・生野菜などを細かく噛み砕きにくいといった変化が現れます。片側だけで噛むくせがある方の中には、あごの筋肉の疲れや、口を開けるときの音を感じる方もいます。また、負担が集中した歯がしみたり、被せ物が外れやすくなったりするケースも見られます。


Q. 噛み合わせは自然治癒しますか?


A. 歯並びやあごの位置のずれ、あるいはすり減ったり高さが合わなくなったりした被せ物が、時間の経過だけで自然に元の状態へ戻ることは考えにくいです。ただし、一時的な歯茎の腫れやあごの筋肉の疲労による違和感であれば、休息や炎症のケアで落ち着くことはあります。数週間続く場合は歯科医院での確認をおすすめします。


Q. 口の中を噛む癖はADHDと関係ありますか?


A. 口の中を噛む癖とADHDのはっきりした関係は、今のところ分かっていません。頬の内側や舌を噛んでしまう原因には、ストレスや集中しているときの無意識の癖のほか、被せ物の形や歯並びの段差、親知らずの生え方など、お口の中のつくりも多くかかわります。


歯科では、まず歯の当たり方や舌のスペースに問題がないかを見て、必要に応じて角を丸める調整やマウスピースでの保護を考えます。発達の特性が気になるときは、かかりつけの医師や専門の医療機関に相談することもできます。


Q. 噛み合わせが悪いかどうか、どうやって判断できますか?


A. ご自宅では「奥歯を閉じたときに前歯で薄い食べ物を噛み切れるか」「左右の奥歯が同じくらいに当たっている感じがあるか」「食事のとき片側ばかり使っていないか」がひとつの目安になります。ただし、わずかな高さのずれやあごの関節の動きは自分では見分けにくいため、歯科医院で色がつく薄い紙(咬合紙)や画像の検査を使って確かめることが大切です。


参考文献


1. Maspero C, Prevedello C, Giannini L et al. Atypical swallowing: a review. Minerva stomatologica (2014). PMID: 25267151

2. 公益社団法人 日本矯正歯科学会 ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解 | 公益社団法人 日本矯正歯科学会. https://www.jos.gr.jp/4348

3. Abrahamsson C. Masticatory function and temporomandibular disorders in patients with dentofacial deformities. Swedish dental journal. Supplement (2013). PMID: 24416880

4. 矯正歯科 | 東京歯科大学 水道橋病院. https://www.tdc.ac.jp/sh/treatment/departments/dental/orthodontics/

5. 研究者詳細 – 楠元 淳也 https://ris.kuas.kagoshima-u.ac.jp/html/100007545_ja.html


伊東 雅哲

歯科医師


大治西條ファミリー歯科

院長

伊東 雅哲

▶ 監修者プロフィール

資格・所属学会
歯学博士
日本口腔外科学会認定 口腔外科認定医
愛知学院大学歯学部附属病院 口腔外科
口唇口蓋裂特殊外来 非常勤講師
日本口腔ケア学会評議員
国際口腔インプラント学会認定医
日本再生医療学会認定 再生医療認定医

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